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おんな風林火山

1986/10/12〜1987/03/01
全16回
プロデューサー:春日千春、荒川洋、野村清
脚本:佐々木守、大原清秀
監督:山口和彦、江崎実生、土井茂
製作:大映テレビ 放送:TBS系
主題歌:「LOVE IS ALL〜愛を聴かせて〜」椎名恵
役名:織田信忠
出演:鈴木保奈美、伊藤かずえ、比企理恵、石立鉄男、美木良介、岡野進一郎、梶芽衣子、岡田奈々、山下真司、新田純一、石田純一、三浦浩一、宮脇恭男、国広富之、志垣太郎、林寛子

Memo
武田信玄の五女として生まれた松姫(鈴木保奈美)と信長の長男・信忠との悲恋を描いた物語。雄基さんは7話からの登場

サブタイトル一覧
1話 七才の幼な妻
2話 絵姿の夫
3話 正室の陰謀
4話 波留姫無惨!
5話 死を呼んだ陰謀
6話 正室・無念の死
7話 幼き恋から大人の愛へ
8話 武田信玄死す
9話 命を賭けた密会
10話 哀愁の菊姫
11話 姫たちの戦場 長篠
12話 長篠敗退、別れの接吻
13話 嗚呼わが恋終わりぬ
14話 芽生える愛と今生の別れ
15話 召しませわが命 高遠
16話 戦場に散った恋

織田信長(隆大介)
織田信忠(松村雄基)

武田信玄(石立鉄男)----------- 信玄正室・舞姫[三条夫人](梶芽衣子)
信玄長女・波留姫(林寛子)------ 波留姫夫・北条氏政(石田純一)
信玄次女・佐保姫(岡田奈々)---- 佐保姫夫・穴山信君(三浦浩一)
信玄三女・真理姫(比企理恵)---- 真理姫夫・木曾義昌(宮田恭男)
信玄四女・菊姫(伊藤かずえ)---- 菊姫夫・上杉景勝(森一馬)
信玄五女・松姫(鈴木保奈美)
信玄長男・武田義信(志垣太郎)
信玄四男・武田勝頼(美木良介)-- 正室・可奈姫(奥田圭子) 側室・由良(中村晃子)
信玄五男・仁科盛信(岡野進一郎)

徳川家康(国広富之)
上杉謙信(山下真司)
北条氏康(梅宮辰夫)
信長家臣・織田掃部(若林豪)
松姫付き家臣・下嶋政茂(下川哲平)

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「人の世の定めとは何であろうか?この物語は、戦国の世に生(せい)をうけ、骨肉の争いを余儀なくなれた武田家・五姉妹の、その中にあって敵将との純愛を貫き通した松姫の、数奇な運命を描く壮大なロマンである」 との芥川隆行さんのナレーションのあと、「幼い頃に描いてたー♪」と『Love is ALL』がながれます。当時の裏番組が「独眼竜政宗」であり視聴率があまり高くなかったため途中で16回と短くなったとか。。。当時の大映ドラマの錚々たるメンバーが揃っていたドラマなのに残念でした。オープニングの「LOVE IS ALL」が素敵で私にとっては思い入れのある作品です
 今では放送を禁止されている差別用語が台詞中のところどころにあるらしく、再放送時には音声を削られていた箇所もあったようです。
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1話 七才の幼な妻
 1561年、川中島合戦の日、武田信玄(石立鉄男)の側室が女の子を産んだ。信玄の五女として生まれた姫は於松と名づけられた。信玄は於松を川中島合戦に勝利をもたらした女神として溺愛するが正室やその子供達は疎ましく思っていた。。
 そんな時、武田との結びつきを強くしたい織田信長は家康とはかり、信長長男・信忠と於松との縁談をもちかける。だが、信玄の長男である義信(志垣太郎)はこの結婚に意義を唱えた。義信の妻は織田信長に討たれた駿河の今川義元の娘であった。だが、信玄の駿河進出野望を戒めたこととなり信玄を激怒させてしまい、信玄は我が子義信に自害を申しつける。

2話 絵姿の夫
 信玄は於松を信忠と婚約させることを決め、その説得を姉達に命じた。佐保姫・真理姫は、於松に信忠の絵姿をみせながら説得にあたる。於松は父の役にたつならと信忠との婚約を承諾し、正式に婚約が決まり武田と織田の同盟が成立した。松姫はまだ幼いため父・信玄の住む躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)の近くの新館に住むこととなった。
 だが、この同盟は小田原の北条氏政(石田純一)へ嫁いだ信玄長女・波瑠姫(林寛子)に深刻な影響をおよぼした。織田の敵である今川と深い姻戚関係にある関東の覇者・北条氏康(梅宮辰夫)は、信玄の背信に激怒し、波瑠姫にこの縁組をやめさせるよう命じる。波瑠姫は甲斐に戻り父に懇願するが、野望を持つ信玄はこの進言に全く耳をかさなかった。
 激怒した北条氏康は今川と謀って、甲斐への塩絶ちを断行した。重い心をかかえ帰途につく波瑠姫。生母の舞御料人(梶芽衣子)は、義信と波瑠姫に最悪をもたらした元凶として松姫を憎悪するようになる。

3話 正室の陰謀
 舞御料人の怒りを理解できない松姫は、純粋に信忠との交流を深めていく。絵姿に向かって無邪気に話しかける松姫。
 一方、塩止めに困惑する信玄は織田信長に仲介してもらい、ともに駿河を攻めるよう三河(現在の愛知)の徳川に使者を送る。永禄11年(1568年)12月、駿河への攻撃がはじまった。駿府城を攻略し海を手にいれる信玄。今川へ嫁いでいた娘の惨状を聞いた北条氏康(梅宮辰夫)は、今や信玄は敵であえると氏政(石田純一)に信玄の娘・波瑠姫と離縁し甲斐に送り返すよう命じる。永禄12年、北条氏政と信玄の戦いがはじまった。徳川も掛川城にたてこもる今川氏真を討つため動き出す。
 だが、武田が力をつけることを危ぶんだ信長は徳川に今川とも手を組むように命じる。徳川の動きを知る信玄だが領民の苦しみを思うと海を手にいれるまで駿河から退くことはできない。
 そんな時に武田の宿敵であるはずの越後の上杉謙信(山下真司)より塩が送られてきた。上杉謙信の真意はわからぬままに喜ぶ領民。だが波瑠姫には、敵であるはずの上杉でさえ塩を送ってくるのに北条は…と、かえって辛く思うのであった。

4話 波留姫無惨!
 塩を送った上杉だがそれは人道に基づくものであって軍事的な戦略とは別だと考え、小田原の北条と手を結ぶ。北条・上杉そして徳川と、甲斐の武田を囲む包囲網ができあがりつつあった。脅威を感じた信玄は兵を退いて駿河を諦め甲斐に帰っていった。
 甲斐に戻った信玄は織田との結びつきである松姫をさらに可愛がり、北条を酷く罵る。父の言葉を聞いた波瑠姫(林寛子)はさらに気をおとす。
 徳川の陰謀で北条氏政(石田純一)と波瑠姫の息子である氏直が今川の養子となり駿河領主となる。10歳になったばかりの氏直は信玄の敵となったのだ。波瑠姫は信玄に氏直の命乞いを最後の言葉に息を引き取り、舞御料人(梶芽衣子)は松姫をさらに憎悪するようになる。
 信玄は小田原に攻め入って北条を足止めし、同時に駿河に攻め入り駿府城を攻略する。北条の味方であるはずの上杉も一向一揆の鎮圧のため越後を動けずにいた。これも信玄の戦略であった。一向一揆の指揮をとる顕如上人には舞御料人の妹が嫁いでいたのだ。駿府城を退く孫・氏直に信玄は「母を恨むな、このわしを恨め」と口にする。
 信玄のもとに真理姫(比企理恵)とその夫・木曾義昌(宮田恭男)がやってきて、織田の不穏な動きを訴える。織田のこととなり矢表にたたされる松姫。だが、織田に会ったこともない松姫になんの手立てがあるはずはなかった。

5話 死を呼んだ陰謀
 織田信長が浅井長政の制圧にたつ。浅井と織田の間にたたされる叔母・お市の方を案じる心優しい信忠。
 ふたたび真理姫がやってきて領土境にのさばる織田を封じたいと懇願するが、松姫の婚約があるため織田を裏切ることは出来ないと話す信玄。亡くなった義信(志垣太郎)と波瑠姫(林寛子)を思い、松姫の婚約を憎む佐保姫(岡田奈々)は松姫が大切にする信忠の絵姿を引き裂く。真理姫(比企理恵)も同じ気持ちだった。
 舞御料人(梶芽衣子)は木曽三川の中洲に位置する長島を味方につけるため菊姫を嫁がせることを信玄に持ちかけるが、これもまた織田への裏切りになると信玄は耳をかさない。佐保姫(岡田奈々)は信玄に隠れて長島に使いを走らせる。この縁談がまとまると、菊姫と松姫は敵同士となってしまうと、実母の藤野(?ドラマのなかで佐保姫が”ふじの”と呼んでいますが、松姫の実母は油川氏の娘であるが、名前は不明)は使者を止めようとし、馬にひきずられ命を落とす。残された菊姫、松姫と兄・盛信は心を一つに強く生きていこうと固く手を握り合うのであった。
 一方、長島では信長を敵とする願証寺の証恵上人のもと、若僧・顕忍と菊姫の結婚が決まろうとしていた。

6話 正室・無念の死
 一向宗の力を恐れる信長の手により、信玄正室・舞御料人が毒殺される。石山本願寺の顕如上人は信長による陰謀を聞き全国の一向宗徒に、信長を討つように命じる。その命により、長島の一向宗徒が信長の要所である沖島砦を攻め落とし、信長の弟・信興を自害させた。長島と織田の戦に心を痛める松姫は信忠に書状をしたため、長島攻めに対する心情を伝えていた。

7話 幼き恋から大人の愛へ
 一向宗の勢いを好機とした武田は、四男・勝頼を副大将として決起しようとしていた。。信玄は体調を崩しており、副大将はそのまま信玄の跡取となるため家臣には不満を漏らすものもいる。武田軍の進出が続き、徳川の三河に歩をすすめ吉田城で合戦が長引いていた。武田が三河にひきつけられているうちに信長は信興のかたきと長島に攻め入る。松姫から訴状を受け取った信忠は、長島を救うよう父に進言するが一笑にされるだけであった。
 だが、鉄砲隊を率いる織田の軍勢のまえにも一向宗はひかずに、味方の将が落ちていくさまを見て信長は陣を退いていった。織田の失態に喜ぶ佐保姫・真理姫は菊姫を囲み長島を誉めたたえていた。辛い立場にたたされる松姫だが、今は耐えることしか出来なかった。

 1572年、力をつけてきた武田軍の一角を切り崩そうと、織田軍は浅井の小谷城を攻めるため兵をすすめていた。そのなかには若き軍将・信忠の姿もあった。馬にまたがり兵をすすめる雄基さんの登場です!浅井には信長の妹・お市がいるため信忠は気が重かった。いまだ会うことが叶わない妻・松姫(鈴木保奈美)にはお市と同じめにはあわせないと誓うのであった。
 余命が少ないことを気取った信玄は織田・徳川の領地を突破して京へ昇ろうとしていた。これに憤怒した信長は信忠と松姫の縁切りを言い出す。だが2人の心は切れることはなかった。徳川が浜松城に足止めされている間に、武田軍は徳川の要所・二俣城に攻め入ろうとしていた。信玄の別働隊が信長の陣地の岩村城を攻略した。武田軍は城主・遠山景任の養子となっていた信長末子・勝長を人質としてとらえた。織田と武田は完全に敵対することとなった。

8話 武田信玄死す
 信玄は捕らえた勝長を松姫のもとに送りとどけた。松姫(鈴木保奈美)は勝長を弟として扱い姉達から必死に庇う。信長は勝長の立場を心配する信忠(松村雄基)の言葉を無視して武田と戦う徳川へ援軍を送った。
 1572年12月 武田軍は二俣城を出て西へ向かった。織田からの援軍とともに徳川は浜松を出て、三方ヶ原で合戦がはじまった。だが、武田の勢力は強く家康は命からがら浜松城へ戻っていった。
 後に控える織田との戦いを考え織田に絶縁状を送りつけるべきだと言い出す家臣に、信玄は松姫のことを案じて織田と本当に刀を交わすその日までそっとしておいてくれと頭を下げる。
 二俣城攻略の祝いの席によばれた能楽師・大蔵藤十郎(岡村菁太郎)とその配下・弦阿弥(久木田美弥)は信玄の冠者でもあった。弦阿弥は鼓の稽古のため信忠のもとにも出入りしていたため松姫と信忠は再び書状を交わせるようになった。
 野田城に攻め入ろうとする前夜、笛の音にさそわれて幕からでてきた信玄が鉄砲にうたれ深手を負った。野田城を攻略したもののもはや立ち上がることすらできなくなった信玄率いる武田軍は後退をはじめた。1573年4月、甲斐への帰途の途中、信玄は自分の死を3年隠せと家臣に言い残し息をひきとる。
 病鉢巻をして、姫達の名を叫び倒れる信玄演じる石立鉄夫さん。壮絶な演技です。

9話 命を賭けた密会
 信玄亡きあと、武田に家督あらそいが始まった。一方、信玄の死を耳にした徳川・織田も動きだした。1573年7月ついに信長は京へのぼり、足利義明を討ち室町幕府は消滅した。
 武田家跡目はひとまず四男・勝頼(美木良介)に決まるが、佐保姫は側室の子供である勝頼より自分の子・勝千代が相応しいと考えていた。信玄の死を隠す武田家では織田と通じる松姫の警護をより厳しいものにしていた。
 上杉謙信(山下真司)のもとに信玄が勝頼に跡目を譲ったことが伝わってきた。信玄は生きているうちは誰にも跡目を譲ることはないと、信玄の死を確信し、二度と現れることのない好敵手の死を嘆く謙信であった。
 信長は武田に寝返った浅倉・浅井を討った。夫を兄に殺され涙を流す叔母・市の方は信忠にあなたのために幾人の女性が涙をながすのであろうかと呟く。
 一方、松姫は藤十郎の機知で口伝えに信忠とのやりとりを交わすようになっていた。松姫の逢いたいとの悲痛な言葉で、信忠(松村雄基)が浜松への使いを口実に、命の危険を顧みず武田領にやってきた。よろこんで馬を走らせる松姫。婚約してから初めて富士の裾野で会い、固く抱き合う2人であった。

10話 哀愁の菊姫
 短い逢瀬ではあったが、2人は互いに生涯の伴侶であると誓い、次は花嫁として迎える場で会おうと分かれていった。このシーンで雄基さんは初めて馬を外で乗ったとか。。松姫と会った信忠(松村雄基)だが、この後は徳川家康のいる浜松に向かい武田を討つ相談をするという辛い役目が待っていた。
 菊姫のもとに佐保姫が、松姫からとりあげた信忠の姿絵をもってきた。佐保姫が絵をとりあげたときに、いつかは自分が取り返してあげるといい松姫を留めた菊姫だが今の織田は自分の夫・顕忍(新田純一)の敵であり2人の境遇は大きく変わっていた。だが、松姫のことを思うと菊姫はこの姿絵を引き裂くことは出来なかった。
 東美濃へ兵を進めた武田軍は織田軍と戦いを進め、徳川の高天神城を攻略した。だが高天神城をとりかえそうとする徳川に武田が足をとられている間に、信長は4度目の長島攻撃をはじめた。怒りを抑えられない信長は老若男女殺すように根きりを命じ、今度は信忠を総大将に命じた。心優しい信忠は信長の子供として生まれたことを恨みにおもう。信忠のやりかたを生ぬるいと指揮を代わった信長は、門徒一派を騙し討ちにした。願証寺・顕忍(新田純一)は神津佐馬介(四方堂亘)に菊姫への思いを託し、14歳で自らの命を絶った。顕忍の最後を聞いた菊姫は白装束に身をかため出家すると屋敷をあとにした。


11話 姫たちの戦場 長篠
 亡き顕忍の菩提を弔うため出家しようとする菊姫(伊藤かずえ)の前に、佐馬介(四方堂亘)と松姫(鈴木保奈美)がとめに走るが菊姫の気持ちを変えることはできない。顕忍の「自分を忘れて、新しい幸せを手にいれてくれ」という願いを守ることが出来ないのであれば切腹するという佐馬介に菊姫は出家を諦めるしかなかった。
 力をつけていく織田・徳川に勝頼(美木良介)は戦をしかける。家臣の反対を退け長篠の合戦がはじまった。戦のない世を望む松姫と信忠だが戦をとめることは出来なかった。
菊姫は憎き織田との戦いと鎧をつけ女ながらに戦場にかけつける。金太郎ファッションと言われてたらしいです(笑)

12話 長篠敗退 別れの接吻
 1575年、武田軍は信長が用いた大量の鉄砲のまえに惨敗をきした。時を待たずに、信長は岩村城奪還のため兵をおこし、信忠(松村雄基)に指揮させた。かっての城主・遠山景任の妻であったおりょうは、敵将・秋山信友の妻となっており岩村城にいた。おりょうは子供・勝長を頼むと松姫に書状を送ってきていた。骨肉の争いに巻き込まれるおりょうの方に信忠も松姫も複雑な思いを抱いていた。
 長篠の負け戦を素早く見切った穴山信君(三浦浩一)は戦い途中で戦場をあとにしていた。裏切りと責められ危ない立場に立たされる穴山に、大蔵藤十郎は金山の情報と引き換えに松姫と勝長を信忠のところに逃すことをもちかける。岩村城の信忠の陣営まできた松姫だが、武田軍兵の墓を見て武田を見捨てられぬと戻っていく。弦阿弥から話を聞いた信忠は、笛の音で松姫に思いを届けるのだった。

13話 嗚呼 わが恋終わりぬ
 信忠(松村雄基)の手ぬるい攻撃では岩村城を落とすことはできないと、信長が岩村城の秋山信友に降参すれば兵は助けてやると使いを出すが、信長は和睦を信じていた兵達を撃ち殺し秋山・おりょうをも殺してしまう。実父に養母を殺されるとは、幼い勝長には過酷すぎる運命だった。
 勝頼(美木良介)を思う北条氏政(石田純一)の妹・可奈姫(奥田圭子)だが、沈みかけている武田に嫁ぐことを兄に強く反対される。松姫はこの可奈姫の思いを聞き、女の幸せは不幸をも分け合うことではないだろうかと話し、可奈姫は勝頼のもとに嫁ぐことを決意する。
 織田の家督を継いで2年、いまだに側室さえ持たない信忠に、信長はお鈴(中里あき子)という姫を連れてきた。父のやり方に我慢できないと信忠は織田を出て、松姫と暮らすと言い出す。だが、四方を敵に囲まれた父を見捨てることはできない。鈴姫の一族のことを思い信忠は鈴姫と一夜を過ごすのであった。
 顕忍が死んでから神津佐馬介(四方堂亘)は菊姫から離れず仕えてきて、菊姫の気持ちも佐馬介に傾いていた。1578年3月、打倒信長に燃える上杉謙信が亡くなった。実子のない謙信の2人の養子であった北条氏政の弟・影虎(和泉史郎)と、謙信の甥・景勝(森一馬)による家督争いがはじまった。武田軍は北条家と血が繋がる影虎を支援するが、景勝の講和交渉が成立し、菊姫は景勝(森一馬)に嫁ぐことが決まる。佐馬介(四方堂亘)と菊姫にとっては儚い恋であった。

14話 芽生える愛と今生の別れ
 上杉家に嫁いだ菊姫だが、さっそく命を狙われ敵国に嫁いだ思いを強くしていた。2度の恋のあと抜け殻となった菊姫だが、おおらかな景勝(森一馬)に心動かされるようになる。
 北条家の可奈姫(奥田圭子)がいるかぎり縁切りとはならないであろうとたかをくくっていた勝頼(美木良介)だが北条氏政の怒りは強く、武田の敵である徳川と手を結んでしまう。信長もついに一向宗を降伏させた。次は武田と危ぶむ信忠(松村雄基)は武田軍に降伏に近い和睦を申しいれるが、勝頼は聞く耳をもたない。
 勝頼は、徳川と通じる家臣・穴山信君(三浦浩一)にも煽られ防御を強くするため壮大な新府城を作りあげようとしていた。「人は城、人は石垣、人は堀、なさけは味方、あだは敵なり」と人材登用に長けていた武田は過去の話、過酷な労働を強いた武田の批評は今や地に落ちていた。特に厳しく檜材調達を命じられていた木曾義昌(宮田恭男)は信長の誘いに乗り武田を裏切ってしまう。
 信長は武田討伐を目論んでいた。それを知った信忠は松姫と2人で南蛮に逃げようと危険を顧みず甲斐にはいってきた。藤十郎は信忠が甲斐に入ったことを家康に告げ、家康は信長なきあと存在が邪魔になるであろう信忠の暗殺を穴山に申し付ける。松姫を想う大蔵藤十郎も信忠の存在が邪魔であったのだ。
 兄・盛信(岡野進一郎)の救いもあり追っ手をくぐり抜け、逃げ出そうとする2人だが、城のために過酷な労働を強いられる民を目にした松姫は「私は武田の娘」と武田と命運をともにすると信忠に今生の別れを告げるのであった。今生の別れにはさせぬと再会を誓って信忠は去っていった。残された松姫は、勝頼のもとに戻られぬと産まれ育った躑躅ヶ崎館を出て盛信の住む高遠(たかとう)に向かうのであった。

15話 召しませわが命 高遠
 武田名臣の穴山信君(三浦浩一)・木曾義昌(宮田恭男)は既に織田に寝返っていた。夫の裏切りを知った木曾の内室・真理姫(比企理恵)は木曾のもとを去り勝頼のもとに人質として預ける子供達の命乞いに走るのであった。
 信長は武田討伐の指揮を信忠(松村雄基)に申し付ける。信忠は松姫を救い出したあと織田には戻らない決心をしていた。織田・徳川・北条と囲まれ武田の戦がはじまった。信州にある高遠城にいる松姫に、兄・盛信(岡野進一郎)は安全なところに避難するようにいうが、兄と一緒に戦うと口にしながらも、敵将であっても信忠の近くにいたいと願う松姫だった。それとは逆に穴山の内室・佐保姫(岡田奈々)は人質となっていた屋敷を闇にかくれて抜け出していた。徳川の下で我が子・勝千代により武田家再建を夢みていたのだ。
 無駄な殺生を避けるため信忠は高遠城の仁科盛信(岡野進一郎)に和睦の使いを送るが、武田軍は高遠城で討ち果てる覚悟をしていた。ついに、総攻撃がはじまり信忠は松姫を救うために先頭にたつことを決意する。盛信(岡野進一郎)は娘・小督を連れて高遠を出て行くよう松姫を説くのであった。

16話 戦場に散った恋
 1582年3月、信州・高遠城は武田倒滅を決意した織田信長5万の大軍勢に包囲されていた。織田軍の総大将は織田信忠(松村雄基)。時代が時代であれば良き友になったであろう盛信(岡野進一郎)との戦いは信忠にとっても苦しいものであった。信忠に代わって切られた弦阿弥は、松姫が城を出たことを信忠に告げ、思いを秘めていた信忠の腕のなかで息を引き取る。高遠城の陥落を前に盛信とその家臣は自害。息の引き際にも盛信は信忠に於松を頼むと言い残すのであった。一方、新府城へ逃げた松姫は可奈姫(奥田圭子)に頼まれ、勝頼の娘達を連れて可奈姫の兄・北条氏政の領地である武州八王子へ向かっていた。
 新府城から小山田信茂の岩殿城へ逃げる勝頼(美木良介)は人質としていた木曾義昌(宮田恭男)の母と子を磔にして殺してしまう。それを知った真理姫の絶望ははかりしれないものであった。火を放って新府城をあとにした勝頼であったが、先祖代々の家臣である小山田さえも武田軍を裏切っていた。行くところをなくした勝頼は天目山を基地とするが、もはや残されたのは死でしかなかった。
 農民に姿を変え武州八王子へ向かう松姫の一行も織田の手に捕まってしまう。面通しのため信忠のもとに連れてこられた松姫を信忠は知らないという。信忠と共にいた家臣・川尻は信長から松姫を殺すように命じられていたのだ。信忠は「このような娘にも想う相手がおるであろう。その相手が同じように想うておれば、いずれ必らず迎えに来る日もあろう。今は辛くても持して待つのだ」といい渡し松姫を放した。松姫は無事に八王子にたどり着き平穏な日々を暮らしはじめた。
 1582年6月、信忠は京におり松姫もまた京で信忠と会おうとしていた。1582年6月2日未明、明智光秀は長年の惜敗をはたすため天下統一を目の前にした本能寺の織田信長を討った。光秀の別働隊は信忠のもとをも襲い、信忠と勝長は26歳と16歳で自らの命を絶ったのである。
 
 過酷な時代を生きた信玄の娘達。
 次女・佐保姫は、夫・穴山梅雪を亡くし子供とも死別。
     徳川家康にひきとられ江戸城・北の丸で生涯を終えた。
 三女・真理姫は、木曾山中の小さな村に匿われ二度と山を降りることなく
     98歳の人生を閉じた。
 四女・菊姫は、上杉景勝のもと有為転変の渦中をよく取り仕切り、家中から
     賢夫人と仰られた。
 五女・松姫は武州八王子に帰り全てを断ちきるように尼になり「信松尼」と
     名乗り、56歳の生涯を閉じた。

    没後、松姫のいた寺院は信松院となり今日に続いている。

補足


  • 信忠没後、松姫が暮らした八王子は江戸時代になって、大久保長安(おおくぼながやす)と名をかえた大蔵藤十郎が支配するようになります。武田遺臣達も多く集まってきて長安はこれらを纏めて八王子千人同心を組織したとか。
  • 劇中、信玄の娘は5人となっていますが、実際には佐保姫と真理姫の間にもう1人 夭折した桃由童女という娘がいたそうで、松姫は信玄の6女という認識が一般的なようです。
  • 鈴姫の産んだ信忠の子・三法師は織田秀信と名を変え織田家を継ぎますが徐々に力を失っていき、1600年の関ヶ原の戦では西軍(毛利軍)に属し、敗れています。
  • 風林火山は孫子の「その疾(はや)きこと風の如く、その徐(しず)かなること林(はやし)の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如く、知り難(がた)きこと陰(かげ)の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し」という言葉から抜き出したもの

投稿者 sato : December 27, 2003 01:48 PM